« 甑島の未知の食材 | トップページ | 茗荷、やっと収穫 »

2010年10月22日 (金)

甑島に来て欲しい人

20071202_095456_2

九州新幹線が、博多から鹿児島まで開通し、大阪からの直通運転も始まるのが来年の3月。
半年後の開通お祝いムードに便乗すべく県内各自治体がPR活動を活発化している。
甑島でも、市が旅行エージェントを島に招待し、あちこちを見てもらっている。

当、磯口旅館にも、観光のお客様が楽しめる体験メニューを作って、新幹線開通時の対応準備をしておくようにといった働きかけが頻繁に来ている。
(本当に新幹線が開通したら甑島にも人がくるのかなぁ?)
というような素朴な疑問はありながらも、大きな波に巻き込まれるように、あーでもない、こーでもないと知恵を絞ってはみたのであった。

しかしながら、万人に受けるような有望な体験メニューなんていうのは、簡単にはできあがらなくて、結局3年前に実際に地域のイベントとして実施した、「灯台までのハイキング」というプランを再度作り直して、市のパンフレットや商工会のウェブサイトに載せてもらうことになった。

地域の観光関係者が集まって30近くの体験メニューを作り、参加者を募ったこともあったのだが、なかなか販売実績があがらず、現在も実施しているメニューはほんのわずかになってしまっている。
特別な技能や資格も必要なくて、健康な人なら参加可能、というような、要件が緩いものしか体験メニューとして継続はできない、という、まあ当然なことがわかった3年間だった。

エージェントや市の職員からは、「他にないユニークなものを作るべき」という理想論が語られがちで、地域のメンバーも、かなり背伸びした実現性が乏しいものや、年に1日程度しか対応できないメニューなど、無理なメニューを並べたパンフレットが大量に配布されてしまった。
残念なことでした。

今週も、市の観光関係のスタッフに、エージェントが売りやすい奇抜さや希少性、お得感を重視したツアー用の企画は、そろそろやめたほうがいいのでは、と話した。

これまでの経験では、大手エージェントが集客するのは、シニア層が中心。
この層は、生活が豊かな方が多く、島の素朴すぎる暮らしや貧弱な設備の観光施設に対しては、なかなか満足してもらえないという感がある。
そんなリッチなツアー客が、バスで移動中に、ほんの数十分で気軽に島暮らしを体験できるようなメニューを提示するということよりも、少人数で、島ののんびりとした暮らし自体を味わってもらうような企画を進めたほうがいいのではと思うのだ。
なので、話題性重視の無理な体験メニューつくりは、そろそろやめましょう。
島暮らしに興味をもって、ゆっくりと集落内を散歩してくれるような人に島に来てもらいましょうよ。
海岸で貝殻をひろったり、玉石を眺めたりするのが好きな人に。

« 甑島の未知の食材 | トップページ | 茗荷、やっと収穫 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

観光に関しては、ターゲット不在、もしくは曖昧な状態のままに進んでいく理想事業があまりにも多いと思っているところでした。誰に来て欲しいか、が肝心ですよね。

ケンタさん
「島に来ると幸せになれる人」に来て欲しいです。
来島しても、がっかりする人を呼び集めてしまうことがないように、こちらからお客を選びましょう。
そういう意味では、上甑島で実施される夏のアートプロジェクトは、アートに接したいと思う人を集めることができる有効な「集客装置」で、世界に情報発信する価値のあるものと感じています。
「芸術の島」で知られるようになるといいなぁ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 甑島に来て欲しい人:

« 甑島の未知の食材 | トップページ | 茗荷、やっと収穫 »